シャトー・ムートン・ロートシルト[1945]

シャトー・ムートン・ロートシルト[1945]

かつては理解しづらいシャトーだった。

卓越したワインを作り出すと同時に、とりわけ一級シャトーとしてはがっかりさせられるほど凡庸なヴィンテージが多かったのである。

ただし、1990年代半ば以降は一貫性が強まっており、1982年、1959年、1947年、1945年のような神秘的なムートンの特徴だった、豊かな、濃厚で豪勢なスタイルが表れるようになった。

もっとも、品質と安定感が以前より良好になったと言っても、ポイヤックの2つの仲間と同列には扱えない。

ラフィットほどは向上していないし、ラトゥールにもまだまだ追いつく必要がある。

超一流のワインではあるがムートンのワインは豊富なタンニンのせいで、時折だが心持にバランスに欠ける場合があるようなのだ。

しかし、このシャトーの場合もやはりほかのボルドーの最上級のシャトーと同様、最近の価格は急騰している。

また、セカンド・ワインのル・プティ・ムートンも、優良ではあるが、レ・フォール・ド・ラトゥールやカリュアード・ド・ラフィットほどの一貫性はない。

《ボルドー第4版より抜粋》


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